漆喰とは、石灰に糊(のり)を混ぜた壁塗りの材料です。日本では古くは土蔵や城の壁に用いられていました。漆喰の主成分である消石灰(水酸化カルシウム)が、空気中の二酸化炭素を吸収しつづけ、石灰石(炭酸化カルシウム)に戻ります。この機能により空気中の湿気も吸収し調節するので季節の変化に耐えカビや細菌の発生・増殖を予防できる、いわば天然防かび・抗菌材です。消石灰は短期間に一気に炭酸化されるのではなく、100年をこえる永い時間をかけて徐々に炭酸化し、石灰石に戻ります。前にも述べましたが漆喰は、空気中の二酸化炭素を吸収し、固まります。この機能から、漆喰は地球温暖化問題に貢献できる素材といえます。また高アルカリ性であるため、ホルムアルデヒドを化学的に吸着・分解します。そして一度吸着したホルムアルデヒドを空気中に再度放出することはありません。漆喰は、主成分である消石灰の微細孔により、高い吸放湿性能を有し、結露をも防止・抑制する効果を有しております。漆喰は、そのほか遮音性や遮光性にも優れており防火性能も高い素材です。逆に漆喰の短所は、乾燥後の収縮率が高いためヒビが入りやすい点があげられます。このため当時の施工方法によってはすぐに雨漏りに起因します。